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1/29東京「これからのグローバル教育講座」(入門編)

Update 2014/02/05

 2014年1月29日(水)、東京「これからのグローバル教育講座」(入門編)を開催しました。
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今回のテーマも京都と同じく「グローバル教育」。 GiFT設立時の想いでもあった「グローバル教育とはなにか?」「なぜ今グローバル教育なのか?」について、産官学民様々な参加者と一緒に語り、考えるという今回のイベント。 この分野についてフロントランナーとしてそれぞれの分野で活躍されている3名のゲストの方に登壇いただき、さまざまな角度から「グローバル教育」を捉え、ワールドカフェでゲストも参加者も一緒になって「自分にとってのグローバル教育」について考える半日のプログラムでした。
(当日の様子はこちらでもご覧頂けます⇒Togetterまとめ:http://togetter.com/li/622537)  
「グローバル教育が国を拓く」 佐藤 邦明 氏(文部科学省 高等教育局高等教育企画課 国際企画室専門官)
140129_tokyo02 140129_tokyo02   文科省で高等教育の国際化に取り組まれている佐藤さんからは、日本という国を取り巻くグローバル化の現状を、様々なデータを使って見せていただきながら、いかに「グローバル化に求められる質」が変わってきているのかについてお話いただきました。   その上で、社会・世界の変化とともに、これからは「日本人のグローバル対応力、意識を変えて行くことが必要」ということで、
①自己肯定感、知的好奇心、知的筋力を育てること(そのための教養教育の充実) ②大学の対世知の国際通用性の向上 ③Changing Mindset(学生だけでなく、両親や教育関係者、企業などの意識を変えていくこと)
の3つに対して、これから2020年のオリンピックも見据えてどう取り組んで行くかが大切であり、「今ここから一人一人が何をして行くか、がこれからの社会をつくると信じている」という力強いメッセージをいただきました。  
「イギリスの現場から — ヨーロッパのグローバル教育の動向」 石井 晴子 氏(北海学園大学 経営学部教授)
140129_tokyo04 続いて、イギリスからSkypeを通じてヨーロッパにおけるグローバル教育の最新動向をお話くださったのは、現在ロンドンにてグローバル教育の研究をされている、石井先生。 世界における「グローバル教育」に対する捉え方は、『地球のために何を行うか、世界の人々と協力してそれができる人をどう育てるか』を大切にしているというお話から始まり、その実践のためにヨーロッパで行われている参加型、体験型のプログラム(例:Youth in Action)を解説いただきました。 グローバル教育に関して大切にしている考え方として、子どもが持続可能な地球を作る地球市民になるためにどのような教育を行えばいいのかを『学生(若者)が考える』ということ、そして自分自身がその『実践者である』ことを奨励する教育が行われている、とお話いただきました。 また、会場参加者との対話の時間では、教員を目指す学生からの「グローバル教育において求められる教育者の姿」についての質問に対し、「先生自身が『怖れを知らない実践者』であるという姿を見せて行くこと」が大切であるとし、先生が失敗談をシェアし、失敗することから学ぶことの大切さを伝える、そういう先生に増えていってもらいたいとメッセージをいただきました。  
「グローバル教育から生み出すリーダーシップ育成」 福原 正大 氏(IGS株式会社 代表取締役)
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3人目の登壇者は、Institute of Global Society(IGS)にて中高生を対象としたグローバル教育を展開している福原さんから、「今日本でなぜここまで『グローバル人材』が必要なのか」の問いと共に、経済的な側面からみたこれからの日本、これからの世界の変化と、これからのグローバル社会において「個の力」を高めて行くこと、そのために「考える力」を伸ばすことの重要性をお話いただきました。 その上で、IGSでの取り組みについて、「地球市民として、世界で競争・共創し新しい価値を創造し、コミュニティを築き上げられる人材」の育成を目指した学びの場として、どのようなリーダーシップ育成を行っているのかを、『グローバルリーダーマップ』というツールと共にご紹介いただきました。 会場では、福原さんのお話のあと、テーブルごとに感想を共有。そのあと福原さんとのオープンディスカッションの時間となりました。 140129_tokyo06 オープンティスカッションでは「海外の大学を考えるということの持つ意味」、「グローバルで活躍するために必要なことは」、「だれもがグローバルリーダーになるべきなのか」など様々なトピックについて意見交換が続きました。 「グローバル教育の場をどうやって作るのか?」という質問では、「徹底的に考える」ということになれていない生徒に対してはゲームなどのコンテンツで興味を呼び身近に感じさせることも大切であると同時に、教師がパッションを持ち、グローバル教育を捉え、場を作ることが大切だとお話いただきました。   3名のゲストから、グローバル教育について様々な角度のお話を伺ったところで、この日のプログラムの最後は「ワールドカフェ」。3つのラウンドにわけ、ゲストも一緒に中に入ってテーブルを動きながら、様々な参加者の感じたこと、この場で受け取ったヒントについて語り合い、共有してもらいました。 140129_tokyo07 ラウンドが進むごとに、模造紙はどのテーブルもみなさんの文字でいっぱいに。 140129_tokyo08 最後は全員で1つの円になり、それぞれが持ち帰る『自分にとってのグローバル教育』『自分が起こすこれからのアクション』についてお話いただく時間も取りました。 140129_tokyo09
<参加者の声>
グローバル=英語教育だと考えていましたが、そうではないということに気づけました。グローバル教育に目を向け、自分に何ができるか考えていきたいと思います。 ・ グローバル人生は決して英語がペラペラでリーダーシップの取れる人だけのものではなくて、意外と身近な問題で、誰でもなりうる可能性があることが印象に残っています。 ・ 新しい視点、理想と現実の両方をみることなど気づきがたくさんでした。まず自分がやりたいと思っていることの目的を明確にするところから始めたいです。 自分の中にも多様性がある、ということが印象に残っています。佐藤さん、石井さん、福原さんのお話も印象に残っていますが、自分の中の多様性が一番印象的でした。今日の自分、昨日の自分、一ヶ月前の自分、自分の中にも多様性が存在する。とても面白いと感じました。 140129_tokyo10
様々なバックグラウンドの人が1つの場に集い、対話を繰り返しながら、参加者一人ひとりが考え手にする「自分にとってのグローバル教育」。 最後に共有いただいた地球市民を見据えた一人ひとりの「明日からのアクション」が、確かにこれからの社会を創っていく、そんな体感ができる時間となりました。
   

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