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『Educators’ Summit for SDGs4.7 2018』 を開催しました。(レポートその2)

Update 2018/12/06

11/25(日)、聖心女子大学の聖心グローバルプラザを会場にして開催したEducators Summit for SDGs4.7 2018は定員を上回る200名近くの方にお集まりいただき、大盛況にて終了いたしました。当日のレポート<その2>をお楽しみください。

レポートその1はこちら


《レポート その2

SDGs×教育」の実践事例をワークショップなどを通じて体感する場として設けられた6つの分科会。それぞれの部屋では、今年度GiFTが実施した『SDGs4.7 OPEN LAB』事業の参加者やゲストの方々による事例紹介&ワークショップが行われました。今回設定したテーマは次の6つでした。

分科会① SDGs × メディア
分科会② SDGs × ICT
分科会③ SDGs × グローバル・シチズンシップ

分科会④ SDGs × サステイナビリティ
分科会⑤ SDG4.7教育 海外事例紹介
分科会⑥ SDGs4.7 OPEN LAB ワークショップ

SDGs4.7 OPEN LAB』事業の参加者は国内コース10名、海外コース10名。彼らは二人一組になって、それぞれの選んだSDGs教育のためのフリー教材、素材を活用して授業を行なってきました。分科会では、実践した授業についての報告と、用いた手法を紹介するワークショップを行い、分科会参加者も授業の一部を体験することにより、SDGs教育についてより具体的に知ることができる場を作っていただきました。


<分科会① SDGs × メディア>
「大学英語教育におけるSDGs」           順天堂大学国際教養学部 助教 今井純子氏
「SDGs×グローバル・シチズンシップ×ジグソー法」 私立文化学園長野中学・高等学校 教諭 長田里恵氏
「新聞を活用したSDGsワークショップ」       朝日新聞社 マーケティング本部長 石田一郎氏
コメンテーター:朝日新聞社 マーケティング本部長 石田 一郎氏


分科会①では、順天堂大学の今井先生、私立文化学園長野中学・高等学校の長田先生からはSDGsそのものをテーマにした授業を、大学・高校でそれぞれ授業にどのように導入したのかについて、発表がありました。朝日新聞社の石田さんからは新聞を使ったSDGsワークショップを披露いただきました。同じグループになった参加者同士の積極的な交流により、SDGsに対する捉え方、理解が深まった様子がうかがえました。

 


<分科会② SDGs × ICT>
「遠隔授業交流で実現するSDGs学習・SDGsを知る〜企業・自治体の活動を通して」
愛知県立時習館高等学校 教諭 青木良輔氏
茨城県立竜ヶ崎第二高等学校 教諭 髙山雅子氏

「グローバルワークショップ:ICTを活用したSDGs学習のデザインについて」
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 専任講師 前川マルコス貞夫氏

コメンテーター:慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 専任講師 前川マルコス貞夫氏

分科会②では、授業でスカイプを用いて授業交流を行なった愛知県立時習館高等学校の青木先生、茨城県立竜ヶ崎第二高等学校の高山先生による事例紹介、そしてこの分科会のコメンテーターでもある慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の前川マルコス貞夫先生たちが行なっているアプリを利用したSDGsへの取り組みについて、ワークショップをふんだんに取り入れた発表をいただきました。

  


<分科会③ SDGs × グローバル・シチズンシップ>
「地球市民教育の社会科教育への導入に向けて~ファッション産業を題材に~」
京都外国語大学 国際貢献学部 講師 影浦亮平氏
立命館宇治中学校・高等学校 教諭  三上真葵氏

「グローバル・シチズンシッププロセスを使った共創型プログラムとは」
(一社)グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)シニア・ダイバーシティ・ファシリテーター 鈴木大樹氏

コメンテーター:玉川大学教育学部 教授 小林 亮氏

分科会③では、SDGs4.7教育、特にグローバル・シチズンシップ教育を授業に導入していくとどのようなことができるのかということをテーマに、教科学習とSDGs教育の文脈を両立させる挑戦を行なった実践について、京都外国語大学国際貢献学部の影浦亮平先生、立命館宇治中学校・高等学校の三上真葵先生からの報告がありました。また、GiFTのシニア・ダイバーシティ・ファシリテーターの鈴木による、GiFTのグローバル・シチズンシップ(地球志民)プロセスに基づいたプログラムの紹介と、その根幹として大切にしているチェックイン、チェックアウトのミニワークショップも行われました。

 

<分科会④ SDGs × サステイナビリティ>
「水から(自ら)世界を知ろう 〜いまわたしたちにできること〜」
玉野市立日比中学校 教諭 井本亜希氏
境町立境小学校 教諭   中村高子氏

「世界をサステイナブルにする波を起こそう!」(Let’s make waves to make the world sustainable!)
神戸大学附属中等教育学校指導 教諭  岩見理華氏
愛知県立刈谷北高等学校 教諭     山本孝次氏

コメンテーター:宮城教育大学教授、教員キャリア研究機構機構長、防災教育未来づくり総合研究センター長 市瀬智紀氏

分科会④では、「SDGs 4.7 OPEN LAB」参加者の2チームが発表を担当。前半は国内コースに参加した玉野市立日比中学校の井本先生と境町立境小学校の中村先生による、「バーチャルウォーター」を取り上げた授業の報告と、授業で行なったカードを使ったバーチャルウォーターを学ぶ体験ワークショップ。後半は海外コースに参加した神戸大学附属中等教育学校の岩見先生と愛知県立刈谷北高等学校の山本先生が、フィリピン・セブの高校生を対象に行なった水不足について考える授業の報告と、実際に行なったワークを分科会参加者にも実施しました。

 


<分科会⑤ SDG4.7教育 海外事例紹介>
「SDGs4.7 OPEN LAB in Cebuでの実践とその後のインパクト」

Coalition for Better Education (CBE) Executive Director   Marilou Flores氏
広島県立府中高等学校 教諭  永末順子氏
大田区立大森第六中学校 教諭 町田恵理子氏

コメンテーター:
上尾市立東中学校 グローバル・シチズンシップ科研究主任 松倉紗野香氏

(一社)グローバル教育推進プロジェクト(GiFT)グローバル教育プロデューサー 木村大輔氏

「SDGs4.7 OPEN LAB」海外コースに参加した広島県立府中高等学校の永末先生、大田区立大森第六中学校の町田先生、そしてセブから来日したMarilou Flores氏による分科会⑤では、まず、セブでの「OPEN LAB」プログラムの経験談と学びの共有がありました。続いて、現地で実際に行なった環境ワークショップ(エコ・コンシューマーとしての気づきを促し、行動変革を呼び起こすワーク)を分科会参加者が英語で体験する時間が設けられました。

 


<分科会⑥ SDGs4.7 OPEN LAB ワークショップ>
「What is happiness?〜自分と誰かの「宝物」から、みんなの「幸せ」のために大切なことを考えるワークショップ〜」
國學院大學久我山中学高等学校 教諭       岸本直子氏
奈良教育大学大学院(教育学研究科修士課程1年) 谷垣徹氏

「栄養教育」
筑波大学大学院(教育研究科教育学修士課程1年) 泉澤慧氏
湘南学園中学校・高等学校 教諭         小倉知子氏

「日本とフィリピンの中高生にとってのSDGsリアル」
認定NPO法人箕面こどもの森学園 教諭  高原麗奈氏
追手門学院中学校・高等学校主幹 教諭   田橋知直氏

「人生で大切なことはSDGsから学んだ」
岐阜市立境川中学校 教諭      野村佳世氏
立命館守山中学校・高等学校 教諭  由谷晋一氏

コメンテーター:国際協力機構 広報室 地球ひろば推進課 課長  齋藤克義氏

4つのチームが「OPEN LAB」でのそれぞれの取り組みを共有した分科会⑥。まず、「幸せ」「栄養」「難民」「人生で大切なこと」など、各チームテーマと実践した授業の概要を紹介。その後、4つのグループに分かれ、授業の内容を体験するワークショップの時間となりました。コメンテーターの国際協力機構の齋藤氏からは、それぞれのテーマの特徴やセブでの授業実践、海外の素材を活用する価値などについてコメントをいただきました。

 

 


分科会終了後は、参加者全員がブリット記念ホールに再び集まって、学びの共有の時間をとりました。
GiFTの鈴木大樹のファシリテーションのもと、小さなグループで分科会で得た気づきや学びを共有し、更に全体でも共有しました。
会場からは「SDGs、共通言語とプラットフォームという言葉が印象に残りました。自分としてもSDGsをきっかけにして、いろいろな方と関わる、色々な方と授業をしていく、色々な方と活動に参加していく、そういったきっかけにしたいと思いました。」「SDGsって聞くと、高尚なこと、世界を変える力が自分にあるのかな、ってすごく大きく思っていたけれど、今日のイベントでSDGsがすごく身近になった。」といった声が聞かれました。

 

その後、一人ひとりが未来への実としてりんごの形の付箋にメッセージを書き、それを会場内に用意されたりんごの木のイラストにりんごを実らせることで、会場全体の未来に向けたメッセージを作り上げました。

最後に本イベントの総括として、本イベントのアドバイザーでもある宮城教育大学教授、教員キャリア研究機構 機構長、防災教育未来づくり総合研究センター長の市瀬智紀氏から「SDGs4.7 OPEN LABで国を超えた事例に触れることができたこと、教科の枠組みを超えた先生方の協力の事例を知ることができたこと、そして今日は企業の方もいらっしゃっていて、領域を超えて取り組んでいく可能性に触れることができました。国も教科も分野も超えてやっていく。それが唯一17のゴールを解決していけることに繋がっていくのではないかと思う。」というコメントをいただき、本イベントを締めくくりました。

 


ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!

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