12/15(日)第1回『Go Global Japan Expo』①

2013年12月15日(日)、好天の早稲田大学にて第1回『Go Global Japan Expo』が開催されました。

文部科学省が取り組んでいるグローバル人材育成推進事業の採択42大学、およびグローバル30(大学の世界展開力強化事業)採択5大学の関係者が一堂に会する貴重な機会ということもあり、全国各地から高校生をはじめとした4,000人を超える方々が参加、それぞれのブースやセッションを楽しみました。

GiFTからはこのイベントの報告を、午前の大隈記念講堂セッション、そして午後の参加型ワークショップ『GiFT ロールモデルカフェ』 の模様、2回に分けてお届けします。 


朝9時半から大隈記念講堂で始まったセッションでは、まず開会挨拶として文部科学大臣の下村博文氏、早稲田大学副総長の内田勝一氏から開会の挨拶がありました。

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下村氏からは「意欲と能力のある全ての若者に、留学の機会を支援したい。2020年に東京オリンピックが開催されるが、いま高校生のみなさんがどのような大人になりたいのか、今日をきっかけにぜひ考えてもらえたら」、内田氏からは「これからのグローバル社会では、独自性、アイデンティティが必要。海外からの留学生との交流も増えてきます。ぜひ多くのブースを見て回り、刺激を持ち帰って下さい」とのエールが送られました。

続いて基調講演として、株式会社ローソン・代表取締役CEOの新浪剛史氏、野球評論家で元メジャーリーガーの小宮山悟氏からそれぞれ講演がありました。

新浪氏は『真の「グローバル人材」とは』と題して、日本人はグローバル社会における共通基盤はあっても専門性が少ない、いわば『逆T字型』のような状態であることを指摘。異なる意見や価値観を受け入れる受容力、語学力というよりはコミュニケーションしたいという意欲、自らが取り組んでいる専門を高め深めていくことの重要性が話されました。新浪氏自身も1970年代に海外留学され、語学よりも現地での経験が印象的だったことが紹介、「海外に飛び出すことで気持ちを実行に移してみましょう!」と締めくくられました。

小宮山氏からは『世界で活躍できる秘訣とは』と題して、学生時代の海外遠征がきっかけでメジャーリーグに憧れたことを紹介、野球ではなくベースボールに触れたいという想いを長く抱いていました。その後37歳でメジャーリーガーとなりますが、「今でも10年早く行けたらって感じます。高校生のみなさん、海外に行けるチャンスがあったらぜひ摑み取ってください。行かないリスクよりも、行って初めて分かることだらけだ。そのことが自分の可能性を拡げる」ことを伝えられました。

基調講演の後には再び下村大臣が登壇し、国際調査から日本の高校生は自己肯定感の低さが指摘されていること、そして来たるグローバル社会に向けて、海外留学する学生を倍増する計画である『トビタテ!留学JAPAN』について紹介されました。

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さらに会場では、サプライズゲストとして、AKB48のみなさんが登場し、応援ソング「トビタテ! フォーチュンクッキー」が初公開されました。会場も巻き込んでの振り付けを教えてくれるなど、大隈記念講堂の参加者が一体となり盛り上がる時間となりました。

サビ部分
トビタテ! フォーチュンクッキー
世界は全部可能性だ Hey Hey Hey
冒険をしなきゃ何も始まらない

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午前最後のセッションは「高校生と大学生によるパネルディスカッション」。
高校生3名、大学生3名、留学生2名とともに、社会人コメンテーターとしてGiFT専務理事兼事務局長・辰野まどかが、カリフォルニア大学サンディエゴ校教授・富作靖彦氏、参議院議員・丸山和也氏とともに登壇しました。モデレーターは早稲田大学留学センター教授・高野孝子氏が担当されました。

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社会人コメンテーターの自己紹介では『グローバル化って何?』というお題が添えられ、 丸山氏『自己の発見と創造』(いまがグローバル化というより、個人の生き方の問題)、富作氏『つながる』(グローバル社会では時間と空間が圧縮、他者とつながる力を)とともに、辰野は『地球市民になること』(同じ一つの球体(グローブ)に住む、地球社会をつくる担い手としての市民)と示しました。

パネルディスカッションでは大きく「自己肯定感をどう高めるか?」「グローバル社会にどう飛び込むか?」「グローバル化の功罪」の3つのテーマについて、様々な意見が飛び交いました。その一部をご紹介します。

・自分の存在を知る、または深めるために、海外に出るという選択肢がある。
・同時に仲間をつくることの大切さ。悩みを共有できる様々な立場の仲間。
・留学をきっかけに、世界から評価されている日本を実感した。
・国内でもグローバル化は進行。人間として社会に貢献することを追求すればどうか。
・グローバルを考える時に、自国だけでなく相手の国のことを考えていければ。

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この中で辰野はこれまでの経験などを踏まえて次のように発言しました。

「国際プログラムで英語が話せない日本人が、プログラム終盤に多くの国々の人に『親友だ』と言われることがありました。確かに彼女はプログラム中、落ち込んでいる人等、常に誰かのサポートをしていました。多国籍が参加するプログラムで、その場が『平和』になるよう努力する日本人の参加者を多く見てきました。『平和』を体感として知っている日本人の強みだと思います。」

「地球市民という言葉を使っているのは、英語を話せる・話せないですとか、海外行った・行ってないということでなく、地球社会に住んでいればすべての人が地球市民になりうるのです。その社会の担い手としてどのような世界を創りたいのか、というのを意識しています。その社会の中で自分は何か出来るか。その役割はそれぞれにあると思います。」

「この場には全国各地から、またいろんな国で既に学ばれていたり、学ぼうとする方々がたくさんいらっしゃいます。まさにこの場が多様性に溢れています。7年後の東京オリンピックの競技場には、何十カ国もの人が溢れているでしょう。こういう多様性にワクワクしていますし、これからもこういう場を大切にしていきたいと思いました。」

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最後に高野氏より「留学ありきではなく、いまの時代に地球市民であることの意識、自分自身を高めていくことが大事である」とまとめがあり、パネルディスカッションは終了しました。

80分という時間があっという間に感じられるほどの白熱ぶりに、会場では熱心にメモをとる高校生の姿が大変印象的でした。

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