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グローバル・シチズンシップで世界をつなぐ

辰野 まどか
Madoka TATSUNO
東洋大学食環境科学研究科客員教授

SIT Graduate Institute Intercultural Service,
Leadership and Management 修士

17歳の時に参加したNGOの国際会議から始まり、これまでにおよそ50カ国、200都市以上を旅し、何十カ国もの人々と交流を持ちました。
文化、言語、宗教、人種、性別、世代、様々なことが異なっても、地球に住む一員として繋がりその一員として生きていることの持つ意味・価値を肌で感じた経験の1つ1つが、GiFTの活動につながっています。

英語嫌いで、海外にも全く興味を持っていなかった17歳の頃

17歳の頃、英語嫌いで、海外にも全く興味を持っていなかった私は、突如スイスで行われているNGOの国際会議に出るチャンスを得て、英語も出来ないのに、たった一人で30カ国300人ほどが集まる国際会議に3週間参加しました。周りの参加者は、政治家やビジネスマン、教師など、立派な大人たち。会場で、英語が出来ないと言うと、じゃあ、フランス語がしゃべれるのね、とフランス語で会話が始まるような、忘れもしない、苦行のような毎日でした。

その会議場では、環境問題や都市問題など日々違うテーマで話し合いが行われ、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、中近東、アフリカ、様々な地域から代表が自国のケースを話しながら、どのような未来を創るかを議論していました。ちょうど戦後50周年で当時の首相であった村山氏が謝罪をしたことも話題になった頃。他国の人たちが、会議場で第二次世界大戦に「勝利」したお祝いをしていた事も、当時の自分にはとても印象的かつ、近代史を理解していなかったことを恥ずかしく感じていました。

平和は自分で、自分たちで創るもの

どうにか三週間が過ぎ、国際会議の最終日に、小グループに分かれて、会議の感想を共有する時間がありました。20人位の多国籍、様々な年代の人たちに囲まれて、私はこんな風に感想を伝えました。
「世界各地の人々が集まり、世界をいかに平和にしていくか話し合う場はすばらしいと思いました。
これからもこういう場が続いてほしいと思います。」
17歳として、無難な普通な感想。けれどその瞬間、グループにいらしたおばあさまに、厳しい口調でこう言われました。
「何言っているの!?あなたが続けるんでしょう!?」

自分の中の「グローバル・シチズンシップ」に出会う原体験

会議への最年少参加で、英語は出来ず、会議の内容も理解できない。さらには日本の近代史もわかっていなければ、会議で最も何も出来ていない、私はこの場に全くいる価値がない、と思っていた自分にとって、このおばあさまの言葉は、心に突き刺さるものでした。 確かに今は最年少で一番力はない。けれども、ここで話されている事を次の世代へ繋げていくことは、確かに自分がやることなんだ、と17歳ながらに心が震えたのを覚えています。
より良い世界は自分で、自分たちで創るもの。自分の中の「グローバル・シチズンシップ」と繋がった忘れられない原体験でした。

グローバル・シチズンシップ育成への道

その日を境に、自分がおばあさまの思いを「続けていける」ように、様々なグローバルシチズンシッププログラムに参加、参画するようになりました。50カ国様々な地域での出会い、学びを繰り返し、17歳の時には理想にしか見えなかった世界も、今、ここにある、と実感できるようになりました。
この「グローバル・シチズンシップ」というキーワードを当り前化して、このキーワードと共に世界をつなげたい、そんな思いでGiFTの活動を始めました。

GiFTでは、平和や豊かさを先代から享受してきた日本だからこそできる社会貢献(つまりは地球社会への貢献)、広い視野を持って参画できる人材育成の実現を目指しています。
そのために、産官学民と協働し、グローバル・シチズンシップ教育を様々な形で発信し、より多くの人が世界とつながる機会を提供する事業を展開していきます。さらに多くのみなさまとつながり、そこから生まれる化学反応とポジティブなエネルギーと共に未来を創っていこうとすることは、みなさまの地球志民としての「志」、つまりグローバル・シチズンシップが、世界をつなぎ、新たな社会を創り出していくことにつながると確信しています。

ぜひ、GiFTとグローバル・シチズンシップ育成をご一緒して頂けば幸いです。

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