2023年度JICA「多文化共生の文化」共創プログラムを実施しました。

GiFTが運営事務局を務めるこの研修は「学校に多文化共生の文化をつくる」ことをテーマに2021年度から実施しており、今年度は全国から19名の先生方が参加しました。ファシリテーションはGiFT代表理事の辰野が担当し、11月と12月の2回にわたりJICA横浜で研修を実施しました。

第1回目は2日間の研修の中で、さまざまなインプットやダイアログを踏まえて「なぜ、今多文化共生の文化が必要なのか?」を考えていきます。参加者同士の「多文化共生」にまつわる現状の共有から始まり、外国につながるルーツを持ったゲストの人生の物語に心を揺さぶられる参加者の皆さん。JICA横浜にある海外移住資料館の見学や、森茂 岳雄先生(中央大学名誉教授/日本国際理解教育学会前会長/海外移住資料館学術委員)の講演を通じて、かつて日本人が海外に移住した歴史から多文化共生を捉える時間を設けました。その上で「多文化共生の文化がある学校とはどのような学校か?」を小グループで対話し、「ちがいを受け入れる」「自己理解」といった学校の在り方から、「外国につながる児童生徒の保護者が孤立しないような取り組み」「外部のいろんなステークホルダーとの関わり」などの必要な行動や要素まで、さまざまなアイディアが共有されました。

第2回目は、一人一人が考えた『多文化共生の文化づくりのための取り組みアイディア』をより具体的で有用なものにブラッシュアップします。参加者同士でアイディア共有してコメントをし合ったり、「周りの教員にどうアプローチするか」「授業で多文化共生を扱うときにどのような教材を活用できるか」など、自分が深めたいテーマを自由にダイアログしたりしました。多文化共生の文化づくりに向けて熱く語り合い相談し合える仲間やたくさんのアイディアを得て、最後には「とにかく行動する」「周りを巻き込んでいく」という宣言も聞くことができました。

これから参加者の皆さんは、この研修を踏まえて今後どのような取り組みをしていくか、そのアイディアを原稿にまとめて「多文化共生アイディアBOOK」を作成します。この19名での共創がどのような形になり広がっていくのか、今からとても楽しみです!

参加者のコメント(アンケートより抜粋)

移民の歴史や一人一人のストーリーを知ることができました。また、日本が送り出していた時代を知ることは、今の外国人を受け入れる側の日本(日本人)にとって、大切なヒントがあると気が付かされました。

自分だけでは考えつかないことを、話し合いの中から引き出されていく感じがしました。また、先生方の実践やアイデアも大変参考になりました。

日常では考えないことを当事者から聞けることが一番の学びでした。人は知らなければ想像することも難しいと考えています。知ることでこれから自分ができることを想像し、考えることができました。

学校について考える前に一人の個人として、多文化共生の文化についてじっくりと考えられる時間、共有があったことは、実践的なことを考えるうえで役立った。

研修が終わってからも、参加者同士が情報交流することができる状況にあることが素晴らしいと思います。3日間の研修が有意義であったからこそ、そのような交流ができるのだと思います。これからも参加者同士が情報交流し、お互いに高め合いたいと思います。