第2回 「教育ファシリテーターオープン・ラボ」ケアと対話で育む学校づくり
GiFTは今年度、文部科学省令和6(2024)年度ユネスコ活動費補助金(SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業)の採択事業の一貫として、SDGs達成に向けた変容と共創を促す「教育ファシリテーター」養成プログラム、教員・教育関係者を対象とした研修プログラムを実施します。
その研修プログラムと並行して開催する「教育ファシリテーターオープン・ラボ」は、本プログラムの参加者に加え、これからの教育に興味がある民間、企業、行政関係者および学生の皆さんにもご参加いただくことができる「変容的教育を学ぶオンラインセミナー」 を全4回シリーズで実施します。
毎回、スクールリーダー(学校管理職)や専門家、実践者、国連関係者をゲストに迎え、本プログラムで扱う「ユネスコ新教育勧告」や「変容的教育」やこれからの教育についてお話しいただき、知識・理論・実践事例を学ぶ機会です。
教育に想いを持つ多世代かつ多様なステークホルダーが集うことで生まれる化学反応や対話を楽しむことができるまさにオープンな学びの「場」です。積極的にご参加ください。
「ケアと対話で育む学校づくり」
今回は学校法人湘南学園学園長の住田昌治先生にご登壇いただき、「ケアと対話で育む学校づくり」をテーマにお話を伺いました。月曜日の夜にも関わらず、約80名の教員・教育関係者にご参加いただきました。
住田先生からは、これまでのご経験をもとにした学校経営やリーダーシップの視点から様々なご共有がありました。
- 個性をつぶさず、違いを大切にすること
- 新しい時代のリーダーシップとして、『ケア』『承認』『感謝』の3つを備え持つこと
- リーダーが謙虚さを忘れず、周りとフラットに関わること
- リーダーとして、まずは周りの話を「聴き」、「問う」ことの繰り返しが大切
などなど。周りの先生方とよりカジュアルな関係性づくりができるような校長室のデザインも印象的でした。
後半には話題提供者としてGiFT理事の木村大輔が登壇しました。
日本の学習指導要領で提示された「持続可能な社会の創り手」という視点が、これまでの国際的な教育改革に影響を受けて生まれてきたこと。そして、昨年の11月に採択された「ユネスコ新教育勧告」が、今後の学習指導要領にどう影響していくと考えられるか、についての共有がありました。
木村の発表に対して住田先生からは、(ユネスコ新教育勧告」が採択されたことにより)文部科学省が推進してきたESD(持続可能な開発のための教育)の重要性が確認できたのではないか。これまでESDを頑張ってきた先生方は自信を持って広めていって欲しい、というコメントもありました。
参加者からは「教師自らが変わろうとすること、教師同士が信頼し合うこと、あらためて最大の教育環境は教師自身だと確認できました。」「どのような経緯で様々な教育のキーワードが学校に降りていているのかがわかりました。」「子どもたちの未来に向けて学校教育を進化させていくための視点がよく分かった。ポジティブに取り組んでいこうとする方が参加しておられて心強いと感じました。」などのコメントが寄せられました。
第3回(9月24日(火)19:00~20:30)もぜひご一緒しましょう!
住田 昌治 氏
(本プログラムアドバイザー、学校法人湘南学園 学園長、2010年~2021年度横浜市立小学校校長。2022年度より現職)
日本持続発展教育(ESD)推進フォーラム理事、かながわユネスコスクールネットワーク(KAN)代表、所沢市・横浜市ESD推進協議会委員、共育の杜「みらい塾」塾長他。著書に『校長先生、幸せですか?』(2023 教育開発研究所)『ミドルリーダーの育て方』(2022 学陽書房)『若手が育つ指示ゼロ学校づくり』(2022 明治図書)『カラフルな学校づくり』(2019 学文社)『任せるマネジメント』(2020 学陽書房)等
話題提供者: 木村 大輔 氏
(一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT) 理事/調査・研究統括)
青森県弘前市出身。県立弘前高等学校、日本大学文理学部卒業。国立青少年教育振興機構、外資系金融機関勤務を経て、オックスフォード大学外交政策修士課程、オーストラリア国立大学公共政策大学院を修了。コンサルタント/研修講師として国際理解教育や開発教育、開発援助プロジェクト立案、海外市場調査、青森県庁にて観光/地域振興事業に従事。その他、内閣府青年国際交流事業やユネスコESD世界会議ユースコンファレンス等のファシリテーターを務める。
GiFTでは、グローバル・シチズンシップの育成に向けた場づくり、SDGsを学校教育に取り入れるための学習デザイン、カリキュラムマネジメント、資質・能力評価や学校改革に関する研究、研修、発信を行っている。
モデレーター: 辰野 まどか
(一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT) 代表理事・ファウンダー)
17歳の海外体験をきっかけにグローバル教育に目覚める。その後、国内外の産官学民の分野でグローバル教育事業に携わる。2012年に、グローバル・シチズンシップ育成を掲げ、GiFTを設立。現在は、JICA地球ひろばの教員研修や、大学・高校との10カ国を舞台にした海外研修等、SDGs、グローバル・シチズンシップ育成に関するプロデュース、研修・講演等を行っている。東洋大学食環境科学研究科客員教授。