第3回 「教育ファシリテーターオープン・ラボ」多様な主体のパートナーシップを通じたESDの推進― 国内外の地域コミュニティにおける事例から
GiFTは今年度、文部科学省令和6(2024)年度ユネスコ活動費補助金(SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業)の採択事業の一貫として、SDGs達成に向けた変容と共創を促す「教育ファシリテーター」養成プログラム、教員・教育関係者を対象とした研修プログラムを実施します。
その研修プログラムと並行して開催する「教育ファシリテーターオープン・ラボ」は、本プログラムの参加者に加え、これからの教育に興味がある民間、企業、行政関係者および学生の皆さんにもご参加いただくことができる「変容的教育を学ぶオンラインセミナー」 を全4回シリーズで実施します。
毎回、スクールリーダー(学校管理職)や専門家、実践者、国連関係者をゲストに迎え、本プログラムで扱う「ユネスコ新教育勧告」や「変容的教育」やこれからの教育についてお話しいただき、知識・理論・実践事例を学ぶ機会です。
教育に想いを持つ多世代かつ多様なステークホルダーが集うことで生まれる化学反応や対話を楽しむことができるまさにオープンな学びの「場」です。積極的にご参加ください。
「多様な主体のパートナーシップを通じたESDの推進― 国内外の地域コミュニティにおける事例から」
今回は国連大学サステイナビリティ高等研究所の小西美紀氏にご登壇いただき、「多様な主体のパートナーシップを通じたESDの推進」をテーマに、国内外の事例をふんだんに取り入れながらお話を伺いました。今回も平日の夜にもかかわらず、約80名の教員・教育関係者にご参加いただきました。
小西さんからは、これまでのご経験をもとにコミュニティにおけるESD推進に必要なアプローチのお話や具体敵な国内外の事例の解説など、さまざまなグッド・プラクティスのご共有がありました。
参加者からは「プログラムづくりの要素を紹介いただき、実際の問題を扱い、体験をとおして学び、発表していく流れをどう作っていくのか、考えながら聞かせていただきました。ぜひ自校でも実践につなげていきたいです。」「「社会の為にアクションを起こす」ことは簡単なようで難しいです。実行に移すことを拒む大人の頭の固さを自身にも感じ、喝を入れられた気持ちです。教育現場にいる身として、諦めずに実践していこうと思いました。」などのコメントが寄せられました。
後半には話題提供者として今年度の教育ファシリテーター養成プログラム参加者2名が登壇し、9月14日〜16日に2泊3日の日程で実施した変容フィールドワーク研修からの学びを共有いただきました。
変容フィールドワーク研修では、参加者が気候変動コース(宮城県東松島市)と多文化共生コース(静岡県浜松市)の2つに分かれて現地を訪れ、現地の起業家や当事者の方たちとの対話を繰り返す中で、テーマについて深めるプログラムとなりました。その体験を今後の授業にどのように活かしていくかだけでなく、参加者である先生方にどのような意識・行動の変容をもたらしたのか、という点に着目して話題提供をいただきました。
参加者からは「地域で様々な活動を実践している人たちから先生方が学びを得ている様子を拝聴し、これからもっとこのようなプログラムに参加される先生方が増えていってほしいですし、もしまた同様のプログラムがあれば、わが市の教育委員会や学校の先生方にも是非参加してほしいと思いました。」「学校現場だけではなく、他分野の方との繋がりを大切にすることで、教育を客観的に見た上でできることを考えることに繋がるのだと感じました。オンライン上だからこそ場所関係なく交流ができ、また同じ志を持つからこそより私自身が持つ教育への気持ちも高まりました。」などのコメントが寄せられました。
第4回(11月13日(水)19:00~20:30)もぜひご一緒しましょう!
ゲスト:小西 美紀 氏
(国連大学サステイナビリティ高等研究所)
2003年にドイツでESDに出会う。多様な主体の協働や地域のエンパワーメントを重視しながら約20年に渡りESDの推進に携わる。東京外国語大学卒業後、企業の環境管理部勤務を経て、ドイツ・マールブルグ大学で教育学を専攻。ドイツユネスコ国内委員会でのインターン後、岡山大学や立教大学、岡山市役所にてESDのコーディネーターを務め、2020年から国連大学サステナビリティ高等研究所にてESD推進のための地域拠点(RCE)のグローバル・ネットワーク事務局を担当している。
話題提供者:SDGs達成に向けた変容と共創を促す「教育ファシリテーター」養成プログラム参加者
(多文化共生)石動 徳子 氏
神戸市教育委員会事務局 学校教育課 指導主事
(気候変動)高橋 悠梨子 氏
東京都大田区立東調布第三小学校 特別支援巡回指導教員
モデレーター: 辰野 まどか
(一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT) 代表理事・ファウンダー)
17歳の海外体験をきっかけにグローバル教育に目覚める。その後、国内外の産官学民の分野でグローバル教育事業に携わる。2012年に、グローバル・シチズンシップ育成を掲げ、GiFTを設立。現在は、JICA地球ひろばの教員研修や、大学・高校との10カ国を舞台にした海外研修等、SDGs、グローバル・シチズンシップ育成に関するプロデュース、研修・講演等を行っている。東洋大学食環境科学研究科客員教授。