第4回「教育ファシリテーターオープン・ラボ」持続可能な地球環境を次の世代へ:多様な組織・立場の経験から考える教育と社会の繋げ方
GiFTは今年度、文部科学省令和6(2024)年度ユネスコ活動費補助金(SDGs達成の担い手育成(ESD)推進事業)の採択事業の一貫として、SDGs達成に向けた変容と共創を促す「教育ファシリテーター」養成プログラム、教員・教育関係者を対象とした研修プログラムを実施します。
その研修プログラムと並行して開催する「教育ファシリテーターオープン・ラボ」は、本プログラムの参加者に加え、これからの教育に興味がある民間、企業、行政関係者および学生の皆さんにもご参加いただくことができる「変容的教育を学ぶオンラインセミナー」 を全4回シリーズで実施します。
毎回、スクールリーダー(学校管理職)や専門家、実践者、国連関係者をゲストに迎え、本プログラムで扱う「ユネスコ新教育勧告」や「変容的教育」やこれからの教育についてお話しいただき、知識・理論・実践事例を学ぶ機会です。
教育に想いを持つ多世代かつ多様なステークホルダーが集うことで生まれる化学反応や対話を楽しむことができるまさにオープンな学びの「場」です。積極的にご参加ください。
「持続可能な地球環境を次の世代へ:多様な組織・立場の経験から考える教育と社会の繋げ方」
最終回となる第4回目のテーマは、「持続可能な地球環境を次の世代へ:多様な組織・立場の経験から考える教育と社会の繋げ方」。ゲストは多様なキャリアを経て、今は企業のCSV戦略部にいるGreen & Education 代表の美鳥佳介さん。さまざまなセクター間での協働を通したESDについて実際の事例を含めて共有いただきました。
ご自身の多様なキャリアの変遷ストーリーからスタートして、地球をとりまく問題についてこれからのトピックについても触れたり、社会と教育をつなぐにあたっての課題をビジネス側の視点、教育側の視点の両方から解説いただいた上で、これからの社会と教育のつなげ方・つながり方について、企業の実践事例なども紹介いただきました。サステナビリティの潮流、世界の流れを掴んだ上で教育においてESDを展開していく重要性や、ビジネス側のつながりたい強い思いと、教育現場における「社会に開かれた教育」の必要性をお互い認識して、今後ビジネスセクターにおける教育のスペシャリストの必要性を提示してくださいました。
そして最後に、これから求められるポイントとしては、自分も他者も地球もWell-bingにすることができる資質・能力が必要なのではないか、というお話をいただきました。
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後半はGiFTの木村から『国連未来サミットでの議論から見えた教育の方向性』をテーマに、9月と11月に出席した国連「未来サミット」や、国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(UNーSDSN)の開催したハイレベル会合で議論されていたこれからの教育の方向性と、教育ファシリテーターの果たす役割について話題提供がありました。
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ゲスト: 美鳥 佳介 氏
(Green & Education 代表)
発展途上国・紛争地域を含む約60カ国へ単身で渡航。NGOを設立し、フェアトレード商品普及活動に従事。大阪府で中学校教員としてシティズンシップ教育を推進し、中学校区のカリキュラム統括を担う。公益財団法人では公設民営中高一貫校(国際バカロレア認定校)の設立・運営に携わり、管理職としてSDGsに関わる取組を推進。環境省では国内外のサステナビリティ人材育成事業に関わり、現在はキリンホールディングス株式会社 CSV戦略部においてESG戦略の策定や次世代向けの環境教育事業を担っている。
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話題提供者: 木村 大輔 氏
(一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT) 理事/調査・研究統括)
青森県弘前市出身。県立弘前高等学校、日本大学文理学部卒業。国立青少年教育振興機構、外資系金融機関勤務を経て、オックスフォード大学外交政策修士課程、オーストラリア国立大学公共政策大学院を修了。コンサルタント/研修講師として国際理解教育や開発教育、開発援助プロジェクト立案、海外市場調査、青森県庁にて観光/地域振興事業に従事。その他、内閣府青年国際交流事業やユネスコESD世界会議ユースコンファレンス等のファシリテーターを務める。
GiFTでは、グローバル・シチズンシップの育成に向けた場づくり、SDGsを学校教育に取り入れるための学習デザイン、カリキュラムマネジメント、資質・能力評価や学校改革に関する研究、研修、発信を行っている。
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モデレーター: 辰野 まどか
(一般社団法人グローバル教育推進プロジェクト(GiFT) 代表理事・ファウンダー)
17歳の海外体験をきっかけにグローバル教育に目覚める。その後、国内外の産官学民の分野でグローバル教育事業に携わる。2012年に、グローバル・シチズンシップ育成を掲げ、GiFTを設立。現在は、JICA地球ひろばの教員研修や、大学・高校との10カ国を舞台にした海外研修等、SDGs、グローバル・シチズンシップ育成に関するプロデュース、研修・講演等を行っている。東洋大学食環境科学研究科客員教授。
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これまでのオープン・ラボの様子をご覧になりたい方は、以下をチェック!
- 第1回「未来を切り拓く教育:ユネスコ教育勧告の重要性と日本の役割」ゲスト:永田佳之 氏
- 第2回「ケアと対話で育む学校づくり」ゲスト:住田昌治 氏
- 第3回「多様な主体のパートナーシップを通じたESDの推進― 国内外の地域コミュニティにおける事例から」ゲスト:小西美紀 氏