東洋大学の生命科学部生を対象として、GiFTが研修を担当させていただいている「コミュニティ・ファシリテーター養成プログラム(通称コミュファシ)」では学生たちがSDGs(持続可能な開発目標)への理解を深めながら「自分たちの創りたい生命科学部コミュニティ」とそのためのアクションに向き合うプログラムです。
2021年度から担当させていただいている本研修ですが、3期目となる今年度は参加者として約30名の学生が集まり、アイディアの幅も豊富に、意見交換も盛んに繰り広げられました。
個性がそれぞれ異なる人たちとのチームとしての活動に伴って、話し合いの機会を設けたことで一人一人の意見の汲み取りや自身から意見を出すことが以前よりもできるようになった。
今回のプログラムに参加して、自分の企画を実現するためには何が必要かを考える力と、自分の活動に自信を持ってそれの面白さを伝えるプレゼン力を成長させることができた。
コミュファシの活動を通してSDGsの身近さや、身近であるからこそできることが多いと確信し、自分のできることを探すという学びを得られた。
修了後は学生からこんな声が届いたプログラム。本日はその軌跡をお届けします。
Step 1 集中研修(5~6月)
5月から6月の間の集中研修(全3回)では、自分の中の想いへアクセスすることを大切にすることから始まりました。プログラム期間中に大事にしてほしいマインドセットについては繰り返し伝え、参加者のチャレンジを後押ししました。
活動をともにする少人数グループを編成してからは、仲間と繋がるワークショップを通してチームビルディングをサポート、共創に向けてのステップを伴走しました!
<研修1回目>
コミュニケーション能力をアップしたい、SDGsに興味がある、就活でアピールできる“ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)”にしたい、など様々な動機で集まった参加者たち。
初回研修では、自分の「好きなこと」や「心の内にあるワクワク」を入り口に、それらをSDGsと掛け合わせることで、どんなアクションが生まれる?という問いかけをもとに、自分とSDGsの繋がりを探るワークショップから始めました。
自分の想いに繋がり始めたところで、仲間の前で一人ひとりが理想のビジョンを宣言するワークショップを実施。全員と想いを共有し、コミュファシ3期メンバーとしての一体感が生まれていくのを感じました。
<研修2回目>
この日は、具体的なアクションに繋げるための第一歩として、まずは少人数チームを作るためのワークショップを行いました。
「自分のつくりたいコミュニティ像」とそのためにやりたいこと、を紙に書き出して、仲間探しのスタートです。自分と興味関心が近いメンバーと一緒になったり、楽しそう!と直感で相手のアイディアに参画したり・・・。
「面白いものを一緒に創る仲間」同士でつながり、学科や学年を超えた計5チームが誕生しました!お互いの人生を共有し合うワークショップ「ダイバーシティ・ダイアローグ」を通して、少しずつ互いに心を開き始めていきました。
<研修3回目>
チームの仲間同士で距離が近づいたところで、具体的なアクションプランについての対話(ダイアローグ)が始まりました。
対話の中では、理想のコミュニティ像とは?生命科学部へ何をギフトするのか?そしてそれはどうSDGsにつながっているのか?という問いを基本に、自分たちの想いを重ね合わせて、それらを言語化することにチャレンジしました。
チームごとのビジョンが見え始めたところで、この先数ヶ月間の具体的なアクションプランを考えていきました。ここからチームごとの活動がいよいよスタートしていきました!
Step 2 中間報告、ブラッシュアップ(7月)
「トライアルや小さなアクションでも良いので、まずは実行することを大切に!」と約束して終えた3回目の研修から約1ヶ月。7月の研修では中間報告として活動の進捗共有を行いました。
この回で3期生は、多くの人の前で発表することに挑戦し、「どうしたらわかりやすく伝えることができるか?」を試行錯誤した様子。お互いの発表内容に応援メッセージを送り合うことで仲間の改善に貢献する、そんなチャレンジも大切にしました。
全チームの発表が終わった後には、「プログラムに参加する前の自分」、「今の自分」、「これからの自分」について改めて見つめ直すことで、これまでの成長と今の自分を認識し、未来への目標を新たにしました。
Step 3 ステップアップ研修(10月)
本格的に活動の自走が始まった夏休み。一つの目標としていた学園祭の開催前、学期が始まった後に設けた「ステップアップ研修」では、夏休み期間中のチームの進捗発表と個人の振り返りを行いました。
この日を経て、学園祭の直前に改めて自分たちのやりたいことを見つめ直したり、企画をブラッシュアップすることでギアを入れ直す機会になりました。
全員で集合する研修としては最後だったこの日は、5月からの自分自身を振り返り、コミュファシ3期を終えたあとに、この学びをどう次に繋げていくかを考え、少し先の未来も描きました。
Step 4 学園祭、特別講演内での発表(11月)
学園祭当日は、出展を決めたチームが板倉キャンパスの教室内でそれぞれの企画を披露しました。
学内を巡るSDGsスタンプラリー、外来種に親しむための魚拓体験、生態系を知る展示、新たな仲間と繋がる場づくり、等、自分たちの「ワクワク」や「好き」が起点となった個性豊かな企画はすべてSDGsに関連し、小さな子どもから大人まで、誰もが楽しんで学べるような仕掛けが盛りだくさんでした!
コミュファシメンバーにとっては、自分たちの力で計画を進めていた企画が、学園祭を通して、来場した地域住民や、彼ら以外の学生に広がっていくことを目の当たりにする機会にもなりました。
学園祭後、生命科学部の授業の特別企画として開催された講演内では各チームの代表がこれまでの活動と学びを発表する姿も見られました。
個性豊かでパワフルな活動内容には、講演に参加した生命科学部の学生たちも興味津々で耳を傾け、それぞれの発表の後には参加者の拍手で会場が包まれました。人前での発表に苦手意識のあったメンバーも、大教室で大人数の前での発表に堂々と臨んでおり、そんな変容も印象的でした!
生命科学部の皆さんに7ヶ月間伴走することで、参加者一人ひとりがチャレンジし、学び合う瞬間をサポートさせていただきました。このプログラムをスタート地点として、今後も生命科学部をより盛り上げ、活躍する姿を期待しています!
★今回の研修テーマとなったのはSDGs。GiFTとSDGsのつながりについてはこちらをご覧ください。