理事長メッセージ

日本人としてのアイデンティティーを持つ

島田 精一 Seiichi SHIMADA
日本ユニシス㈱特別顧問
前住宅金融支援機構理事長
元日本ユニシス㈱代表取締役社長
元三井物産㈱代表取締役副社長

 震災以降、日本は厳しい状況におかれています。これから経済国日本として復活を果たすには、世界に出て行く必要があるでしょう。そのためには、どこへ行ってもその国の人とコミュニケーションができなければなりません。

世界の国の多くは他の国と陸続きのため、自分たちとまったく違う価値観を受け入れ、議論しながら共存する能力に長けています。対して、海外からの影響を受けずに独自の発展をしてきた日本は、これまで文化の違う人々と同等に渡り合う機会に恵まれませんでした。真のグローバル人材というのは、異文化を知って理解するだけでなく、自分の価値観を伝え、他国の人たちと一緒に新たなものを生み出すことができる人だと思います。

そこに必要なのは、外国語を話せることだけではありません。自分の国の言葉である日本語を正しく話し、書くことができ、日本の歴史や文化をきちんと理解した上で外国語を話せること。つまり、日本人としてのアイデンティティー、帰属意識をしっかり持っていることが世界で勝ち抜いていくために大変重要です。

20代のうちに海外留学を

 近年、海外に行きたいと思う若者が少なくなっています。今は、アメリカやヨーロッパで起きた政治・経済の波が日本にもすぐ届き、日本国内だけに目を向けていては生き残れない時代です。大手企業を見ても、その多くが国際化しており、中小企業でも優秀な会社は海外に進出しています。それはデザイナーやミュージシャンといった個人で活躍している人も同じです。このような時代においては、何より20代のうちに海外での滞在経験をすることが肝心でしょう。私は30代に入ってからでは遅いと思っています。20代のうちに留学などで積極的に海外へ行くことをお勧めします。旅行ではなく、現地の人と生活レベルで交流しなければ、本当の意味でその国の文化、価値観を理解することはできません。また、海外に出ると、客観的に「日本」という国を考えるようになります。“ガラパゴス化”という言葉にも表されるように、アジア各国との競争も激化している現在、日本に足りないのは、グローバルな視点で自国を評価することです。そうした力を身につけるためにも是非留学し、様々な経験を通して得たことを持ち帰り、日本から世界に向けてグローバルに活躍する人を目指してください。